PROJECT STORY

プロジェクトストーリー

新機軸となる「旅ドレ®シリーズ」の開発

自社ブランドの未来に「解」を見出す

ケンコーマヨネーズは、常に新たな自社ブランド商品の開発に邁進し、世の中に新たな「食の価値」を提供しています。そこに見られるのは、解決すべき様々な課題を越え、新たな「解」を見出していく、従業員の熱意と知恵の結集です。

ドイツからの発信。そして
商品開発部門の挑戦が始まった

「ドイツの食品展示会で試食したドレッシングがとても良い味だった。」
その情報は、海外出張から帰国した炭井孝志社長によってもたらされた。2011年秋のことだ。

ケンコーマヨネーズが一つの自社ブランド商品を開発するきっかけは様々である。どのようなルートであれ、有効と思われる情報は商品企画の議論にかけられ、商品化に結びつくかどうか検討の末、その道筋が決定される。そこでは、常時、複数の商品化候補が同時並行的に選考会の議論に乗せられているのだ。

年間1,800以上にも及ぶ商品を開発しているケンコーマヨネーズグループにとって、開発の種となりうる重要な情報は、普段の生活の中にも溢れている。ふとした出会いやひらめきが、ヒット商品を生むことも稀ではない。今回は、社長による生の声が開発の種となり、実際に商品化候補の一つとして議論が重ねられ、商品開発部門での試作検討が行われることになったのである。この段階からはまず、サンプルとなる商品を現地から取り寄せ、分析に基づいて味の再現に挑戦することが、商品開発部門の仕事となる。

原材料分析から味の再現性へ
未知の要素を見極める手立て

商品開発部門でマヨネーズやドレッシングなどの開発を担当する小島裕也は、このドレッシングとの最初の出会いについて、次のように述べる。
「ドイツから送られてきたサンプルを試食してみると、酸味が少なく、ミルクの中にまろやかな玉ねぎの風味が広がる感じがして、直感的に、これは多くの日本人に好まれるなと思いました。この点が商品化への大事な糸口です」

しかし、事はそう簡単ではない。課題は山積していた。何よりもまず、ドイツの味を日本の原材料でどのように再現したらいいのか? あるいは、どのような温度帯であれば流通や保存の際に品質を保つことができるのか? 細かな問題を数えればきりはないが、この味の再現性と流通における品質維持という大きな2点が、克服すべき最重要課題として浮上してきた。

ケンコーマヨネーズの商品開発部門には、味の再現性について長年培われてきた独自のノウハウが蓄積されている。これまでに開発したことのない配合のドレッシングだとしても、サンプルの分析や似た商品の配合を参考にしながら、サンプルの味に限りなく近づけていくのである。この工程では、これまでの経験で培われた自分の味覚もまた、欠かすことのできない要素の一つだ。

しかし、今回のケースでは、そもそもが外国由来の食品であるため、未知の要素があまりにも多い。そこで商品開発部門では、現地視察も含め、海外サイトや書籍での調査、海外調査専門機関への調査依頼、大使館などへの連絡による情報収集など、ありとあらゆるリサーチをかけた。
独自のノウハウ、経験から培った味覚、そしてこれらの情報を掛け合わせることで、配合の最適化の道が少しずつ見出され、味の再現性は次第に解決へと向かっていった。

どの温度帯が最適なのか?
これまで以上の販路拡大を
目指して

ところが、このドレッシングの場合、配合を決めて味を再現するだけでは越えられない、もう一つの壁があった。それが2つ目の課題、つまり、どのような温度帯で品質を維持するかということだった。
「ドイツでは冷蔵流通、つまりチルド状態で販売しているんです。しかし、私たちは常温の温度帯で販売することを目指していました。それを実現できれば、お客様に取り扱っていただく際の制限も減りますから、これまで以上に販路を広げられる、そんな可能性を展望しました」(小島)
一般に、欧米の加工食品は、保存料などを使用して常温での流通や長期保存に耐えられる商品にすることが多い。逆にフレッシュさを売りにしたい場合は、チルド商品にすることが基本となる。しかし日本の市場では、健康志向の観点から保存料の使用は極力少なくする方が好まれる。また、冷蔵流通に限定してしまえば、商品の汎用性を狭めることにもなりうる。

この時点での思いを、小島はこう振り返る。
「配合の試行錯誤を繰り返すうちに、これほど日本人の口に合うドレッシングなのだから、より多くのお客様に味わっていただきたい、そんな潜在的な思いが少しずつ表面化してきたのだと思います。これは商品開発部門だけでなく、他部署の関係者も共通した思いだったんじゃないでしょうか」
これ以後、商品開発部門では、常温流通を目標にした配合の再検討が行われていくことになった。
STORYTELLERS
  • 大塚 洋和 販売部門 広域販売本部 第3事業部 課長 2004年入社 水産学部 海洋環境学科卒
  • 佐藤 誠 品質保証本部 QA監査部(室) 課長 2008年 中途入社
  • 小島 裕也 商品開発部門 商品開発1部 主任 2009年入社 理工学部 機能物質化学科卒
  • 小田嶋 智子 商品本部 商品部 主任 2011年入社 海洋科学部 海洋政策文化学科卒